原料へのこだわり
秋月とうふ家では、地元福岡県朝倉産の大豆「フクユタカ」を主に使用しています。
福岡県の中部に位置し、大分県日田市と背中合わせになっている朝倉地方は、県内でも有数の大豆の産地で、広い平野に見渡す限り大豆畑が広がっています。
「フクユタカ」は豆腐に加工するのに最も適した品種のひとつで、ほのかな甘さと濃厚さが売り物です。
7月初めに蒔いた大豆は、9月半ばには花が咲いたあと小さなサヤが出来ます。朝倉では11月末に立ち枯れになった大豆を収穫します。外見は枯れていますが、中にはフクユタカの実がびっしり詰まっています。
通常、豆乳の濃度は7~8度ですが、秋月とうふ家の豆乳はその倍の14度。
高濃度ならではの甘みとコク、なのにさらりとした喉ごしで大変飲みやすい豆乳です。
秋月とうふ家の「とろける白い湯どうふ」は、透明な水が豆乳のように白くなってくるいわゆる温泉豆腐です。
湯豆腐用の豆腐は、「フクユタカ」のほのかな甘みとおいしさをしっかり閉じ込めて湯どうふ専用に加工しています。なめらかな舌触りは、まるでふぐの白子のような食感。海水を煮詰めた本苦汁(にがり)100%で固めた豆腐だからこそのとろけ具合です。
また、ここ秋月は、今から1200年以上も昔にこの地を訪れた天台宗の開祖、最澄が 水を飲んで「甘露のように甘くて清らかな水」と賞賛して「甘水(あもうず)」と名づけた名水の地に程近いところにあります。また同じ朝倉市内にはキリンビールの工場もあります。
秋月とうふ家の「とろける白い湯どうふ」に入っている「湯どうふ水」はこの実店舗「秋月とうふ家」の地下水を使用して湯どうふ用に加工してありますので、一度飲んだらやめられない、とろける白い湯どうふのスープになるのです。
締めは、とろける白い湯どうふのスープのうま味をぎゅっと吸収した糒の雑炊で!
秋月とうふ家名物の「とろける白い湯どうふ」や「お肌つるつる豆乳なべ」セットに入っている、
糒(ほしい)、薬味の手作り柚子こしょうにもこだわりの語りがあります。
■糒(ほしい)
「糒(ほしい」または「干飯(ほしいい)」とは、一度炊いたお米を干して日持ちを長くしたものです。
お湯やスープで戻すだけで食べられる、フリーズドライの元祖のような保存食です。
平安時代には『伊勢物語』にも携帯食として出てきます。乾燥させてあるため軽く、腐ったりかびたりすることもなく、水を加えればすぐに柔らかくなるので、旅先の携帯食として重宝されたようです。
戦国時代では合戦に備えて調達される兵糧として用いられ、兵糧といえばもっぱらこの「糒」のことを意味していました。戦場でご飯を炊くということは、煙が出て、わざわざ敵に居所を知らせるようなもの。そのため移動しながらの戦いには必要不可欠な携帯食料だったのです。
戦前には一般家庭でも、残ったご飯を無駄にしないように干して取っておき、それを炒っておやつにしていたそうです。
秋月とうふ家の「とろける白い湯どうふ」の雑炊は、セットに入っている糒(ほしい)で作ります。
とろける白い湯どうふのスープのうま味をぎゅっと吸収して、ほわっとまろやか、上品な仕上がり、忘れられないおいしさです。
誰でもハマってしまうおいしさです。
■自家製 柚子こしょう(薬味)
とろける白い湯どうふにぴったりの柚子こしょうも手作りでこだわっています。
九州では唐辛子のことを「こしょう」と呼んでいます。
柚子こしょうとは赤や青の唐辛子に柚子の皮と塩を加えた辛い薬味のことです。
「とろける白い湯どうふ」を食べるときにはもちろんですが、冷たいとうふにもよく合って、とうふの甘みを引き出してくれます。
温かいうどん、味噌汁などいろいろな食べ物に不思議とよく合います。料理に添えてちょっぴり口に入れると、たちまち辛みとうま味が広がってとりこになってしまうのです。九州の料理屋さんでは必ずといっていいほどテーブルに醤油といっしょに柚子こしょうが置いてあります。
朝倉、大刀洗近隣で収穫された赤唐辛子、青唐辛子を細かく種ごとすりつぶしたものに塩を加え、1年間かめの中で寝かせます。1年経つと塩気が消えてまろやかな辛さが出てくるのです。そして柚子の果皮を練り合わせて熟成させて出来上がりです。
秋月とうふ家では、1年間寝かせた柚子こしょうを「2年もの」、寝かせずにすぐに柚子の果皮と合わせた柚子こしょうを「1年もの」と呼んでいます。「2年もの」は在庫が少なくなってきていますので、皆様にお届けする「とろける白い湯どうふ」に入っている赤柚子こしょう、青柚子こしょうは「1年もの」になる場合がありますが、ご了承くださいませ。